〜 アースシェイカー篇 〜



 むかしむかしのことじゃがのう。

 このバハマに出演しておったアースシェーカーというバンドがあっての。
 そのバンドのギターは石原慎一郎という名での。ある日、他バンドのライヴを見に来ておった時、
 「君ちょっと、ココ入ってみ」と言われてカウンターに入ったらば、「あ、似合うジャン」の一言で、バーテンダーにされてしもうたんじゃ。
 その日から地獄の特訓が始まったのじゃが……シャラは何度も何度も倒れたり、意識を無くすまで頑張ってとうとう、何でも飲める身体ができてしもうたのじゃ。
 なんの特訓かと……?

 酒じゃ。


 その後は地獄の輪が広がる。マイスターとなったシャラは、来る人間人間をつぶすのが趣味になってしもうた……。
 恐ろしいことじゃぁ。
 その頃のバンド仲間や奥本(Lマガ)等、皆この洗礼を受けたものじゃ。

 アースシェイカーはニーチャンとワッタンと三人でやっておった時もある。後にニーチャンがラウドネスに入った頃は、マーシーとカイ君とクドウとシャラ、四人で頑張っておったのお。
 シャラも一言居士で、ギターに関しては自分の主張を持っておった。
 よく、マグナムのジミー(いつも酔っぱらっている)とディスカッション(いやいや酔っ払いの絡み合い)しておったのう。
 ジミーは仲の良い弟分という感じじゃった。
 じゃが、流石に二人とも、自分の音を持っておる。
 なかなかそうはいかんて。
 年とともにはば広く奥行きのある成長をしつづけるギタリストじゃ。わしもうれしいゾ。
 そうそう、こんなこともあった。
 ノヴェラというバンドがデビューした頃のことじゃが、イギリスからやってきた「ガール」というバンドがあって、全国ホールツアーをやっておって、大阪のフェスティバルホールでライヴをやる前日、(オフ日で)あなぐらのようなライヴハウスへ行きたいとか言ってのォ。バハマに来たのじゃが、その日はアースシェイカーがライヴをやっておっての、聴いていたガールのメンバーは感動しおってのう。
 飛び入りセッションはするわ、明日是非ガールのコンサートに来てくれと招待はするわ、大騒ぎしていきおったのじゃ。
 招待されたから行くべえかとシェーカー全員でフェスまで行ったそうな。
 コンサートが終わってからガールのメンバーにグレイトグレイトと愛想を振りまいて、帰ってきたらしいがの。
 バハマに帰ってきて言ったことはの。
「たいしたことないな……」
 じゃった。
 ……儂もそう思うたゾ……。

 あー、こんな事言うとってよいのかのぉ〜〜?
 知らんゾ、後で文句があるなら言ってくるじゃろぅ。

 儂の名か?

 儂はバハマのカウンターじゃ。邪魔じゃと言うて半分に切られてしもうたがの、まだまだ現役じゃ。




  はい、本日はありがとうございました。
 バハマのドアを開けるとすぐ目の前に見えるいろんなものを載せた黒のカウンターさんに今日はお話を聞かせていただきました。インタビュアは私フジタ、B.G.M.はアースシェイカーのモアでどうぞ。


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