〜しゃらぁー何だこの胸騒ぎ〜
 Love letter from T.F. 2003




 この前、EARTH SHAKERのデビュー20周年ライヴがバハマであった。
 う〜ん、デビューしてもう20年も経つのかと思うと、「我が身世に降る眺めせしまに」だが、シャラこと石原君は3〜4年はバハマで働いてくれていたし、お互いいたずらをやりあっていたので、毎日スリリングな日々を過ごしたものだ。
 一番やったのは、かわいそうな第三者を、徹底して、酔い潰すことだ。犠牲者がいない時はとうぜん、シャラが「いけにえ」になる。完ぺきに潰れるまで、店を閉めないので、階段を上りきったところで、意識を無くす場合も多々あった。とりあえず自転車のハンドルをもたせて「おつかれ〜♪」と送りだすのだが、何度も途中で「睡眠」をとったらしい。最短距離は、隣の神社が、ベッドに早変わりしたそうだ。神社の石段で、「何で、こんなとこで寝てるのやろ? あっ、店に入る時間や〜」ってこともよくあったそうで……シャラや、神社にベッド代、払いなさい。
 二番目にやったのは、トランプだ。来た人と、「ページワン」をよくやった。
 一点10円位賭けてやったけど、シャラは、弱かった。(私が強かったのか?)
 常に負けるので、出世払いということにしていたのだが、かなりたまっていたはずだ。シャラや、出世したのだから、払いなさい。
 三番目にやったのは、シャラは純真だったので、すぐ人の言うことを真に受ける。からかう相手としては最高だ。「まさかぁ?」と思ったことがある。
 風邪を引いた時に早く治す方法だ。ちょっと風邪気味で、しんどがっているシャラに、
「扁桃腺やったらねえ、ほら、タバコは殺菌作用があるから、西部劇とかで、よく傷口にタバコの葉を押し付けて、血止めにしてんじゃん? だから、死ぬ程、タバコ吸いまくって、扁桃腺を煙りでいぶすんヨ。菌なんて、これで死んでしまうから、すぐ治るのよね〜」
 と言ってやった。
 笑い飛ばすと思っていた。
「ふふん、またアホなこと言ってる。聞かんとこ〜」
 と思っていると思った。
「ふ、……ふ〜ん」って返事だったので……だが、シャラは、次の日も次の日も休んだ。どうしたんだろうと思っていると、4〜5日してやって来たシャラが怒りの一言。
「いっこも効けへんやん!!」
 え? 何の話? すっかり忘れていたT.F.に、
「一晩徹夜でタバコ吸いまくったら、起きられへんようになった」
 普通、信じます? そんなこと。
 人の話をまともに信じてはいけないという人生勉強をさせてあげたので、シャラや、授業料、払いなさい。
 幽霊、オカルト系にも弱かったので、シラフの時はよくおどした。涙目になるまで、恐い話をやめないので、まあ、シャラの酒を浴びること浴びること。最強の酒豪となれたのだから、シャラ、謝礼を払いなさい。
 なんてね〜、勝手なことを言っているけど、実はシャラ、めっちゃ優しいんだよ〜。
 私が東京で「璞」の制作で一ヶ月ほど缶詰めになっている時もねえ、既に、荒みきった、陰惨な館と化していた広いスタジオにねぇ、「くだものバスケット」を持ってきて気分転換させてくれたり、(実にT.F.はレコーディング中の自分の行状の記憶が無い程、人間ではなくなるらしい)
「あ〜、ぶどうだぁ〜〜その先の手の持ち主は……シャラやん」
 みたいな感じで自分を取り戻させて貰ったり(その前に感情の爆発があって、レコード会社の人間や、ディレクターに出ていけって叫んだり、……集中してる時に、井上陽水さんを紹介されたりしても「あっ、そう?」って握手するのが精いっぱいで、話なんか出来るわけないじゃん。不器用ものなので……無礼この上ない状態になる時があるらしい……笑)  ほおっとさせてもらったりしたものだ。
 朝から晩まで、コーヒーとタバコで生きてた時は、私の好みのコーヒー豆をわざわざ買ってきてくれたりしてさ。長い長いつきあいになるけど、時々の私のいぢわるにもめげず、変わらず優しい。

 それが彼のギターワークにも出ていて、ハードな音を出していても、ほんわかと包みこまれるような気がするのは私だけだろうか?
 イントロだけで「あっ、シャラだぁ」って解ってしまう。この前、美容院で髪を切って貰っていると、「グギャーン」「あっシャラぁ」おもわず口をついて出てしまった私に、ハサミを持ったお兄さんが「え? 切るんじゃなかったんですか?!」と固まってしまった。
 「あっ、ちゃう〜」と聞いたらしい。
 「いえ、どんどん切ってください」と言うと、切られすぎてしまった。カッパのようだ。シャラ、慰謝料払いなさい。
 とかなんとか言っているが、5月24日にはツアーで、CD発売コンサートがビッグキャットである。以前にもBBSで書いたと思うけど、「ああ、アースシェーカー」がいっぱい詰まったCDなので、まだ聞いてない方は聞くべし。コンサートにも行くべし。私はCDはいただいてしまったので、ビッグキャットには行きます。
 EARTH SHAKERファンの方、当日会場でお会いしましょう。
 EARTH SHAKERを知らない方も、一度は体験してみましょう。


◆ EARTH SHAKER OFFICIAL SITE ◆

〜 幕 〜